1. 優れた耐食性

• クロム含有量を21%に高め、銅とチタンを添加し、SUS304と同等の優れた耐食性を持っています。
• 溶接部の耐食性を高めるために、不純物元素の炭素や窒素を低減するとともに安定化元素のチタンを添加しています。応力腐食割れ（SCC）の恐れがありません。
2. 価格優位性／安定性
• ニッケルを添加していないため、SUS304より安価です。
• ニッケル・モリブデンを添加していないため、これらが高騰してもその影響を受けません。
3. 優れた成型性
• SUS304よりr値が高く深絞り性が優れており、また加工硬化も少ない。
• その他、従来クロム系ステンレス鋼と同等以上の形成性を有します。
4. 優れた物理的特性
• SUS304に比較して、熱伝導率が良好です。
• SUS304に対し、熱膨張率が少ないです。
• 磁性があり、磁力選別やマグネットによるハンドリングが可能です。
5. ご注意
• SUS304のような炭素含有量の高いステンレス鋼と溶接する場合、溶接部の耐食性が低下する場合がありますのでご注意が必要です。従って、SUS304とのTIG溶接には不向きです。

冷間圧延で表面の凹凸を増やし、表面を白色化したものです。
機械的特性および耐食性はほぼ同等です。
製造可能範囲は板厚0.8〜2.0mmです。

クロム（Cr）を21%に高め、耐食性を向上させる銅（Cu）とチタン（Ti）を添加した、ニッケルフリー・モリブデンフリーの成分です。

（注）SUS443J1は、SUS430J1L（Cr量16〜20%）に対し、Cr含有量を21%に増量させ耐食性をより高めた鋼種です。

機械的性質

SUS304に対し、r値が高く深絞り性に優れており、また加工硬化も高いです。

物理的性質

• 熱伝導性が良好です。
• 熱膨張が少ないです。
• SUS304に比べて、約2.5%の軽量化を図れます。
• 磁性があり、電磁調理鍋等にも優れた特性を有します。